多くはいらぬ
2010.11.1付 朝日歌壇より
生きゆくに多くはいらぬ去りゆくにひとひらのはなあればうれしい:(高槻市)門田照子
高野公彦評:老いて簡素な暮らしをしている人の思いが述べられている、寂しいけれど晴れやかな歌。
何となくね、評が即物的な感じがしましてね。
簡素な暮らし、ではありましょうけれど、人づきあいや付随する「やっかい」も捨て、いろいろな「欲」の類が静かに抜け落ちていって、生きることの本質部分だけになった。
飾ることもなし。あるがまま、少ない欲を少しだけ満たし、穏やかに生きている。
死ぬ時に花の一輪あったらいいな、と思っても贅沢ではありませんでしょ、と。
結構です。紫の花がお似合いだと感受します。
おみごとな歌でした。
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