栗虫
2010.11.1付 朝日歌壇より
もぞもぞと栗から出てきた栗虫はほやほや生まれたての顔する:(諏訪市)宮澤恵子
なんだかほんわり心温まる歌ですね。
嬉しくなって妻に読み聞かせてしまいました。
昔はゆで栗を剥いていると、よく煮えちゃった幼虫に出くわしたものです。
幼虫をとりのけて、残りはもちろん食べます。
穴のあいた栗は、茹でる前に、しばらく新聞紙の上にでも置いておくと、幼虫が出てきたりしますね。
そんなところを、こんにちは、とご覧になったようで。
生まれたての顔、というのがうれしい。幼いものはやはり、なんとなくあどけないものなのです。
良い歌に出会えて幸せです。
この虫は、クリシギゾウムシの幼虫だと思いますが。
幼虫の体は、すべて栗を栄養にして出来上がったものですから、栗が姿を変えただけのものなんだ、とわりきりましょう。
別件:梨をむいていると、虫が食い進んだ穴を見つけることもよくありました。
穴が進んで行った跡を、梨をスライスしながら追跡し(スライスはもちろん食べながら)、たいてい、カマドのあたりで発見するんですよね。よくやりましたっけ、子どもの頃。
虫はもちろん殺しましたが、虫がいる梨は、虫が食うくらいだからとってもおいしい梨なんだ、と喜んで食べたものです。今だと、どうなるのかなぁ。
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