加齢
2010.11.8付 朝日俳壇より
加齢とは引き算ばかり秋の風:(長浜市)東野了
よくね、中途障害者に対して、引き算をするな、足し算をしろっていうんですよ。
障害を負ったために、あれができなくなった、これもできなくなった、と出来なくなったことを引き算で数え上げるな。あれはできる、これはできる、それもできる、やればなんだってできるんだ、と出来ることをプラスに数えよう、とね。
あんまり好きじゃないんですけれどね、そういう励ましって。
出来ないものはできない。全ての人は自分にできることをする、だけなんですからね。
夢を持てば、努力すればなんだってできる、なんて大ウソでしょ、はっきりいって。
さて、年をとって参りました。
やはり、引き算ですねぇ。
ちょっと前まではできたことが、今はもうできない。
何年か前までは1時間で2000m泳ぐのが普通だったのに、今は1時間で1500m強しか泳げなくなってしまった。
蒲田まで平気で電車に載って買い物に行けたのに、最近は「意を決して」行かないとならなくなった。
引き算やってると、そのうちゼロになってしまう。
この際、マイナスの方まで踏み込むことにしましょうか。
秋の風の後には冬の風が来て、そのうち春もくるでしょう。
どんな春かなぁ。あの世という春かもなぁ。
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント