草の花
2010.10.18付 朝日俳壇より
病む母に十歩は遠し草の花:(金沢市)今村征一
稲畑汀子評:作者の母上をいたわるやさしさを季題が語る。
「草の花」という一般的な言葉だと思っていたら、秋の季語なんですねぇ。
くさ‐の‐はな【草の花】
数々の野草の花。特に、秋咲く花をいい、可憐で小さい花が多く、「千草の花」といわれるほど種類も多い。<季語:秋>[広辞苑第五版]
「季語と歳時記」というサイトを見たら
http://cgi.geocities.jp/saijiki_09/kigo500b/49.html
草の花
草花/草の初花/千草の花/野の花/百草の花
秋に咲く草々の花のこと。よくぞ咲いている、という思いがある。
そこから、しみじみ、可憐、地味、はかないという思いが湧くが、逆にしぶとい、という印象もなくはない。
10月18日付の俳壇ですから、秋ではありますが。
もし、句集のような形のなかで、この句が詠まれた季節が明示されていないとして
春早く、小さな花たちが顔を見せ始めた。もうこんな可愛い花が咲き始めたよ、といっても、病む母に十歩は遠い。しかし、日射しの温もりが増し、着るものも薄くなっていく頃には、母も何歩かの「遠出」が出来るようになるのではないか、待ち遠しい。
と、春の「草の花」で解釈することは無理ですか?
春にもいっぱい草の花は咲くのですが。
なぜ、秋と限定するのですか?
私にはよくわかりません。
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