素直なもの
2010.10.11付 朝日歌壇より
ねこじやらしススキの初穂犬の尻尾素直なものに秋の風吹く:(徳島市)上田由美子
馬場あき子評:下句が感銘深い。
とても柔らかくて、心をほぐしてくれる歌ですね。凝り固まった「意地」がほぐれていく。
夏の暑さに耐えるのも「気を張る」ことでした。
もう気張ることはないよ、素直でいいよ、と語りかけてくれます。
個人的な感想としては「犬の尻尾」のところが、「仔犬の尻尾」だったら、もっとふにゃふにゃに嬉しくなってしまうのだがな、と。
大人の犬の尻尾には意志がこもっていますが、仔犬の尻尾には「いきていることはうれしい」という純粋な喜びしかないと、感じているものですから。
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