威し銃
2010.10.4付 朝日俳壇より
威し銃忘れた頃におどろかす:(箕面市)菖蒲哲郎
「威し銃」は「おどしづつ」ですかね。
今はどのような装置がつかわれているのか知らないのですが、昔、私がちょっぴり教えてもらった威し銃は、竹筒とカーバイドを使うものでしたね。
竹筒の節の所に穴が開けておく。
カーバイドのかけらに水をかけてアセチレンを発生させながら竹筒をかぶせる。
アセチレンだけが出てくるころ、節の穴に火をつける。
火はしばらく炎として燃えるけれど、アセチレンの発生が遅くなると、竹筒の中に炎が引きこまれて爆発する。
ドカン。
というものです。
火をつけてから、ドカンまで、ある程度の時間がかかり、しかもその時間はコントロールできないので、「忘れた頃に」ドカンときて、仕掛けた方もびっくりする、というものでした。
◆実は、中学校から高校へ異動したときに、先輩教員から伝授してもらった水素の爆発装置というのが、アセチレンの威し銃の原理と同じだったんです。
大雑把にこういう装置です。ポリエチレンの洗瓶のそこをくりぬきます。
洗瓶の管が通っていた部分にガラス管を通すのですが、そのガラス管はゴム栓を貫いており、ゴム栓は洗瓶の口とぴったり。さらに、洗瓶のキャップでゴム栓とガラス管を締め固定します。ポリエチレンは爆発の内圧には十分耐えます。ゴム栓もネジで固定されていますから吹っ飛びません。
さて、水上置換で、洗瓶の中に純粋な水素を貯めてから、そっと持ち上げて洗瓶の首のところでスタンドに固定します。
そして、ガラス管の口に火をつける。
水素は軽いですからガラス管から上へ噴き上がってきて、初めのうち安定した炎を形成して燃えます。
上で消費された水素の分は下から空気が入り込みます。
そのうち、洗瓶の中に残っている水素と、入り込んだ空気の中の酸素の割合が、爆発できる範囲に近づくと、炎が不安定化します。
これは炎が「プ~ン」といううなり音を発することで分かります。
この音は高音から低音へ変化します。それだけ不安定度が増したということです。
やがて、不安定状態が大きくなり、炎がガラス管の中へ引き込まれそうになっては立ち上がり、また吸い込まれては立ち上がり、ということを3,4回繰り返してから・・・
ついに、洗瓶内の水素全体が爆発します。
どかん
すごいですよ~。
事故でも起こしたのか、と先生方が見に来たりしますからね。
この、炎が不安定化してから爆発まで、のタイミングが微妙でしてね。10年以上この実験やりましたが、いつもやはり緊張しましたっけ。
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