残暑
2010.10.4付 朝日歌壇より
突っぱって残暑あるいてゆく影は痩せてとがったわが肩である:(八王子市)相原法則
馬場あき子評:残暑厳しい白昼をゆく感銘。こんな時、突っぱるのは禁物だが痩せてとがった「われ」を発見したのがいい。
どうして「突っぱるのは禁物」なのでしょうか?
ここでいう残暑とは、8月の立秋過ぎてのあの猛暑日の連続のことでしょう。
突っ張って、気張っていかなければ、命にかかわるという暑さでした。
そよ風を肌に感じる残暑なら、突っ張らずに、優しい気持ちで、ともなるでしょうが、違うと思うなぁ。
死ぬまいぞ、と肩怒らせて歩きつつ、影を見れば、瘦せてとがった肩よなぁ。
分厚い胸の時代はもうここにはない。
年を重ねた身には酷な残暑であった、と。
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