« 安楽死 | トップページ | 尊厳死 »

2010年10月20日 (水)

落ち栗:2

昨日、崩彦俳歌倉のカテゴリーで「落ち栗」というタイトルの記事を書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-39aa.html

選者が「今年は食餌の不足から鹿や猪が人家に接近することが多いようだ」と書かれたのに対して、私は「鹿が人家に接近しましたか?なんだかあまり覚えがない。イノシシやクマ、サルとは食べ物がちょっと違うしなぁ」と書きました。
都会の端に住む私の認識としては、シカの個体数増加については認識していましたが、人家に接近するという事態になっているという報道をあまり聞いていなかったのですね。
日光戦場ヶ原でシカの食害とか、日本中のあちこちで食害が起こっていることは知っていました。
今年のニュースでは、六甲山でイノシシに遭遇した、三島市でサルが暴れている、クマが町中に現れる、というようなことが目立って聞こえてきました。

さて、上記の記事にコメントを頂きまして、

北海道ではよく鹿が話題になりますよ。
森の木の皮を食べ尽くして足りずに農家の作物が狙われるんですが、札幌市内を駆け回ったこともありました。
道路や線路にも侵入することがあるので対策を考えているところもあり、そうでないところも気をつけないといけません。うちは道南ですが、走ってる車の前を横断されたことがあります。
・・・

とのことです。
そこまで来ていたとは知りませんでした。認識不足でした。
今朝、10月20日の朝日新聞の「時時刻刻」という特集記事は「減る猟師・増える獣、限界の山」というものでした。

・・・
 東京農工大学の小池伸介助教(保全生態学)によると、シカやイノシシは個体数の増加がはっきりしている一方、クマについては正確な数はわかっていないという。その上で、クマなどが人里に多数出没するようになった理由をこう説明する。
 中山間地域での人の活動が減り、動物とのせめぎあいがなくなったことで鳥獣の分布域が人の生活圏近くまで広がった。猟師が減ったことで鳥獣の数や活動範囲、繁殖活動などに影響を与える「狩猟圧」が低下し、シカやイノシシが増えた。狩猟期に人間に追われた経験のないクマも出てくる。いわゆる「新世代クマ」で、これが人と遭遇している可能性がある――というわけだ。
 ただし、獣を撃つことはあくまでも対症療法に過ぎない。そこに焦点があたるのは、短期的にはほかに有効な対策が見つからないことの裏返しでもある。
 山林と人里の間に緩衝地帯を設けたり、林業を通じて山の環境を整えたりといった対策を検討している自治体もある。小池氏も、狩猟だけに頼るのではなく、野生動物の数や生態の科学的な調査など長期的な対策もあわせて進めていく必要があると指摘している。
・・・
 シカやイノシシなどによる農作物被害は昨年度約222億円に上り、8道府県で最高を記録した。
 特産のワサビなどへの被害が深刻化する静岡県の伊豆半島には、約2万頭のシカがひしめく。県は1万頭まで減らそうと年7千頭の捕獲計画を立てているが、昨年度の実績は約5千頭にとどまった。
・・・
 一方、オオカミ導入を提唱しているのが、シカやサル、イノシシなどによる年間約2400万円の農作物被害に悩む大分県豊後大野市の橋本祐輔市長だ。絶滅したニホンオオカミに近い種を中国から輸入して山林に放つという計画だ。
 「被害が増えれば農家はやる気を失う。生態系を元に戻すにはオオカミしかない」と橋本市長。米・イエローストン国立公園での先例も支えになっており、農家から「早く導入してほしい」との声が上がる。まだ具体的な動きにつながっておらず、環境省は「外来生物が与える影響は計り知れない」と否定的だ。

おりしも、名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」が開かれています。
「人間を含めた生物」の多様性を守るということは可能なのか、それはどのようなものでありうるのか、強い困難さを覚えます。ペシミスティックにもなります。

ヒトという生物種は、種内の多様性が非常に低い。進化の過程で個体数の猛烈な減少を体験している。で、遺伝的な多様性が低い種になってしまった。
その生物種が、地球上で圧倒的な優位種になっているということは、生物学的には非常な「不安定さ」があるように思います。
何かのきっかけで、ヒトは絶滅に向かうのではないか、と危惧します。

現在の生き方が続くとして、人類の100年後、というイメージを明確に描けますか?

日々、暗い気分でおります。

« 安楽死 | トップページ | 尊厳死 »

崩彦俳歌倉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 落ち栗:2:

« 安楽死 | トップページ | 尊厳死 »

2021年5月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ