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2010年10月13日 (水)

ハナ

2010.10.11付 朝日歌壇より
犀「ハナ」と同い年の九十歳汝に夫あり優しい角もつ:(岐阜県)棚橋久子

この歌の理解のためには背景が分かる必要がありますね。
朝日新聞では2回、登場しています。

夫婦で長寿世界一のクロサイ 広島市安佐動物園: 2010年9月11日 広島市安佐北区の市安佐動物公園で飼育しているクロサイの雌のハナが世界最高齢とわかった。ハナは44歳、連れ合いの雄のクロは43歳で、世界一の長生き夫婦という。人間ではともに90歳に相当する。
 同園によると、世界動物園水族館協会(スイス)が管理するデータベースで、世界69動物園で飼育している487頭のクロサイの中で、ハナは最高齢、クロは2位になるという。いずれも体長約3メートル、体重約1.5トン。
 2頭は1971年、ケニアからやってきた。体つきなどからハナは5歳、クロは4歳と推定された。夫婦でこれまでに10頭の子をなし、世界2位の多産記録を持つという。
 2頭は現在、高齢のため一般公開されていない。「えさを食べるのも、木陰で昼寝するのもいつも一緒」と飼育員の茶村真一郎さん(59)。20日の「敬老の日」には特別に公開し、好物のリンゴをのせたケーキを贈って祝う予定だ。

世界最高齢クロサイ夫婦、ケーキでお祝い 人なら90歳: 2010年9月21日5時38分
 広島市安佐動物公園(同市安佐北区)が飼育するクロサイの雌で44歳のハナと、雄で43歳のクロの夫婦に20日、同園から好物のリンゴ入り特製ケーキが贈られた。2頭は生存するクロサイとしては世界最高齢と2位で、人間なら90歳程度。普段はストレスを与えないよう一般公開されていないが、敬老の日に合わせて特別公開された。
 大丸秀士園長が「今年、世界一の長寿クロサイ夫婦と分かり、私たちも感動でいっぱい」と話すと、子どもたちから「おめでとう」と声がかけられた。夫婦は角をつき合わせ、仲良くケーキを食べた。飼育員の茶村は「2頭とも元気。クロサイの長寿記録の48歳を超えてほしい」と期待する。

長寿のサイ夫婦。いいですね。
作者は、御夫君を亡くされている、しみじみとした感懐を抱かれることでしょう。

一方で、「スッタニパータ」ですか、犀の角のたとえも好きです。
「犀の角のようにただ独り歩め」というものです。
日本人にとっては不思議なたとえですが、いつの間にか身にしむ言葉です。
私は「独行する者」を標榜してきましたが、犀の角のたとえに大きな影響を受けています。
そのうように、死までの道のりを行くつもりです。

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