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2010年10月 1日 (金)

酵素

◆最近、新聞の広告で「酵素を摂取しろ」というのによくお目にかかります。
これ、まるっきり100%のウソですから、引っかからないでくださいね。
酵素というのは、アミノ酸がつながったたんぱく質なんです。
酵素を食べても、ちゃんと消化して、アミノ酸にして吸収しますので、酵素がそのまま体内に取り込まれることはありません。
牛を食べたら牛になる、豚を食べたら豚になる、というのと全く同じことになってしまいますよ、酵素を食べたら体内で働くなんて。

私たちの体の免疫というものは、自己以外の物質を見分けて排除する仕組みです。
(腸の管の中というのは対外であることをちょっと頭に置いておいてください)
もし、他の生物の酵素が体内に入ってきたら、免疫システム総動員でその異物を排除しにかかります。
他の生物の酵素が人の体内で働くなんてことは一切全くあり得ないのです。
酵素食べてもいいです、別に止めません。
でも、アミノ酸を摂取することになるだけです。なら、肉をお食べください。それで十分。
ばっかばかしいお金をかける必要なんか全くありません。

「現代人に不足しがちな酵素」「酵素が不足すると、つまりが生じる」
ウソ!

「体内酵素は高齢者では若者の半分」「肉食動物が内臓から食べるのは内臓が酵素の宝庫だから」
こんなことを医学博士という人がいう。こんな医者にかかったら病気が悪化しますね。

遺伝子というものをご存知でしょう。遺伝子の分子的な実体はDNAです。このDNAに書かれている情報は、基本的にたんぱく質の作り方なんです。どんなたんぱく質かというと、酵素なんです。
酵素をつくると、その酵素が働いて、実際にいろいろな物をつくるのです。
動物が生きるということは、自前の酵素をつくるということなんですね。
酵素が不足したら、そりゃもうお陀仏です。
生きている限り酵素をつくり、酵素が仕事をし、生命活動をするのです。
生命活動は化学反応です。生体内の化学反応はすべて酵素によって進むのです。
自前で作る酵素しか使えません。同じ人という種のものであっても、他人の酵素は使えません。
臓器移植で拒絶反応が起きるのは他人のたんぱく質を免疫システムが排除しようとするからですね。
まして、他の動物や野菜の酵素なんて使えるわけはないのです。
他の生き物の酵素なんてまったく役立たず。
排除の対象以外の何物でもない。

以上のことを理解していただいて、私のブログの読者の方は、健康食品の酵素なんかにお金を使わないでください。

◆こういう広告で使う手は
「自然は優しい」「人工は危険だ」「植物は善玉」
こういうレッテルによるイメージなんです。
「野菜を機械で刈り取ると燃料の油がまき散らされる」から「手で刈った」
くだらない。じゃあ、米も小麦も食べられませんね。

イメージだけを操作して、イメージだけで何かを語ろうとすることはとても危険なのことなのです。
イメージをはぎ取って、「なかみ」を見ましょう。
レッテルで物を考えないこと。

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