轣轆
2010.9.12付 朝日歌壇より
月うるむ和歌山線の終電の轣轆過ぎて鳴く青葉梟(あおばずく):(御所市)内田正俊
終電車の音が行き、訪れる静寂の中に、静寂を強調するかのごとき、アオバズクの声。
情景は見えます。
言葉を知らなかった。「轣轆」
線路際に住んでいるのにね。
れき‐ろく【轣轆】
①車などのきしる音。
②糸車。[広辞苑第五版]
多摩川線の「轣轆」は、気象状態を伝えてくれるんですよ。(新型車両はだめだけど。)
電車の車輪というのはレールとの間で滑るか滑らないか、ギリギリのところで加速したり減速したりしているんですね。で、雨が降ってくると、滑りやすくなる。車輪がレール上で滑ると回転数がグンと上がります。そうすると、自動車のアンチスキッド・ブレーキング・システムと同様なものが働いて、回転を抑え、すべりを止めるんです。この回転数がグンと上がる音が聞こえるんですね。(雪でも同じ。減速時もほぼ同様)
ああ、雨だね、と外も見ないで夫婦の会話になるわけです。
多摩川線轣轆に知る雨模様
となるわけですね。
覚えたぞ、轣轆。
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