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2010年9月 7日 (火)

竜舌蘭

2010.9.6付 朝日歌壇より
百年に一度の竜舌蘭の花咲けば蟲たち立ち騒ぎけり:(大阪市)灘本忠功

炎暑、懸命開花 アオノリュウゼツラン…大阪・池田

 30~50年に一度しか咲かないといわれている「アオノリュウゼツラン」が、大阪府池田市綾羽、市低区中継ポンプ場の敷地内で開花した。
 米国南西部や中南米の熱帯域に自生。花は1か月ほどで散り、一度開花すると植物自体が枯れてしまうという。
 ポンプ場の敷地内には1株あり、7月20日頃から開花が始まった。高さは約6メートルで、途中で枝分かれした花茎の先端に、小さく黄色い筒状の花が密集している。花茎の下部から上に向かって順番に開花が進む一方、下から枯れていくといい、現在は高さ5メートル付近で花をつけている。市緑のセンターによると、あと約10日で最上部が咲くという。
(2010年8月4日  読売新聞)

このリュウゼツランですね。虫たちは基本的に毎年生まれ変わっているのでしょうから、生まれて初めて嗅ぐ香りだったはずです。なんだなんだ、この香りはなんだ、と浮足立ったかな。

実は、今年、東京でもリュウゼツランが咲きました。

リュウゼツラン 40数年かけ開花:文京・一行院(朝日新聞 2010/8/26)
 文京区にある一行院(千石1丁目)で、「センチュリー・プラント」と呼ばれ、花が咲くのに100年から60年かかるといわれる、リュウゼツランが開花し、満開を迎えている。夏の青空を背景に、約5mほど伸びた幹の先に黄色い花を咲かせている。
 リュウゼツランはメキシコ原産の植物。なかなか開花しないことで知られるが。実際は40年前後で花が咲き、花が終わると枯死する。
 住職の八木千暁さん(47)によれば、ここ2カ月で幹が伸び始め、今月中旬から咲き始めたという。リュウゼツランは前住職で現在は増上寺(港区芝公園)の法主を務める父の季生さんが、四十数年前に親類の寺から株分けされたもの。
 千暁さんは「年齢は私の方が少しお兄さん。子どものころからアロエのお化けと言っていたが、こんなに大きくなるとは」と、咲いた姿を見て驚いていた。

東京に住む私は、歌を読んで、東京のリュウゼツランを先ず思い浮かべたのですが、作者が大阪の方でいらっしゃるので、調べてみたら、大阪でも咲いたのですね。

ところで、テキーラというメキシコの強いお酒は、リュウゼツランを原料とするお酒でしたよね。どなたか、日本で作ってみないのかな?

◆この夏咲いた珍しい花というと、ショクダイオオコンニャクが話題になりましたね。
「燭台大蒟蒻」ですね。学名が「Amorphophallus titanum」というので、アモルフォファルスと呼ばれることもあります。
この花、大きいといって有名ですが、臭いんです。肉が腐ったにおい、だそうで。
授粉のために、その匂いでハエを呼ぶんですね。
この花の開花の方が「蟲たち立ち騒ぎけり」「ハエたち立ち騒ぎけり」だったのではないでしょうか。強烈なにおいで呼びつけられてしまったことでしょう。

「世界最大」花開く 香りに誘われたのは… 東大植物園(朝日新聞 2010年7月22日)
 「世界最大」と呼ばれるインドネシア・スマトラ島原産のショクダイオオコンニャクの花が22日夕、東京大学理学系研究科付属植物園(小石川植物園、東京都文京区)で開花した。高さ約1.5メートル、直径約80センチの花は受粉のためにハエなどの虫を誘う腐敗臭を漂わせ始めた。
 小石川植物園での開花は1991年以来で、これが国内6例目となる。開花状態はあと2日ほど続くとみられ、25日まで花の公開を続ける。園長の邑田(むらた)仁・東大教授は「種をまいてから17年かかったが、珍しい花を間近で見られて感慨無量です」と話した。
 花びらのように広がったのは葉が変形した仏炎苞(ぶつえんほう)で、中央に高く伸びた付属体の根もとに、小さな花が多数ついている。花の集まり(花序=かじょ)であるこの全体が、大きいものは高さ約3メートルにもなることから「世界最大」とされる。一つの花で世界最大と言えるのは、直径約1メートルになるラフレシア・アーノルディだ。
 開花に関する情報は、同園のウェブサイトで提供されている。


あの腐臭花、鹿児島でも開花か…東京の親類(2010年7月26日 読売新聞)
開花が近づいているショクダイオオコンニャク
 鹿児島県指宿市のフラワーパークかごしまで、世界一大きな花といわれる希少植物・ショクダイオオコンニャクの開花が迫っている。
 咲けば全国で7例目、同園では3例目となり、関係者らはわくわくしながら見守っている。
 インドネシア・スマトラ島原産のサトイモ科の固有種で、ろうそくを立てる燭台(しょくだい)に似ていることから名付けられた。
 花がたくさん集まって一つの大きな花に見える花序の直径は約1メートルにもなり、色は鮮やかなあずき色。夕方に開いて、翌日の夕方にはしぼみ、開花時は、受粉の虫を誘うため、肉が腐ったような強烈なにおいを発する。
 同園は2003年に、小石川植物園(東京都)から球茎を取り寄せて育て、08年7月に国内で2、3例目となる2株に直径約1メートルの花が開いて話題となった。今回は7月初旬、08年に開花した株の球根であるコンニャクイモ(直径約60センチ)から花芽が伸び始め、現在は高さ約1メートル80センチまで成長している。
 フラワーパークかごしまでは、花芽を育てるため、イモを傷めないように土の入れ替えには気を使ってきたという。同園栽培管理課の伊東信雄さん(49)は「6、7年に一度しか咲かないといわれ、1株から2度目の開花となれば世界的にも珍しいのではないか。小石川植物園が話題となったが、フラワーパークでも開花が迫っており、ぜひ巨大な花の開花を見に来てほしい」と話している。今のところ、開花は31日とみている。

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