陣痛
2010.9.20付 朝日歌壇より
陣痛のあいまに見やる夏花火もうすぐ会えるおまえに会える:(神戸市)小島梢
{佐佐木幸綱、永田和宏 選}
胸の上の生まれたばかりの息子抱く命の重み3224:(神戸市)小島梢
高野公彦 評:出産直後の若き母親の喜びが、胸の上、3224(グラム)という言葉にこもっている。
よかった、よかった。ほっとしました。
超音波検査で男子ということは分かっていた、それが「おまえ」という言葉になり、生まれて実際に胸に抱いて「息子」になった。
陣痛のあいま、花火大会、あれが終わるころにはきっと出産している、きっと、と波状にくる陣痛を受け止めている。
そして、産声をあげた息子。お腹の中にいた時の重さとは全く違うズシリと来る3224gの体重。愛しいものを腕に抱き、胸に抱くということの切なさ、嬉しさ。
まるっきり頼りないんですけれどねぇ。すべてを親に任せ切っているんですけれどねぇ。でも、自力で生きているんです。命ってすごいですよね。
胎児から出産、新生児へ。宝石のような時の経過を味わわせていただいて、嬉しく思いました。
元気に成長しますよ。いい子になる。
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