夏
2010.9.12付 朝日歌壇より
住職の戻れば朝昼夕洗う白衣(はくえ)白足袋まだ続く夏:(松坂市)こやまはつみ
汗たらし経読み終えて施主往(い)ねばシャツまで脱いで真裸になる:(三原市)岡田独甫
馬場あき子 評:僧職の今年のお盆だろうか。人間的な生身の姿が可笑味とともに自笑されている。
佐佐木幸綱 評:修業を積んだ僧だって、この猛暑暑いのである。ユーモアの味わいが捨てがたい。
最初の歌は僧が出向いての法事。2番目は寺での法事。
そりゃ人間ですもの、暑い。汗が出る。まだ彼岸に行ってしまったわけではないからな。
此岸は暑い。
暑さを感じられるのも生きていればこそ。
辛い苦しいも生きていればこそ。
死んじゃったら辛さだって味わえやしません。
凡俗はこっちの岸で騒いでいるのがよいのです。
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