椰子の実
2010.9.20付 朝日歌壇より
暑き日はプールに浮かび椰子の実となりて漂着する島思ふ:(埼玉県)小林淳子
馬場あき子 評:今年の夏の暑さは異常だが、来年はこれが異常ではなくなってしまわないか心配。第一首はもう椰子の実になってと、涼しい島への夢を思う。
別に涼しい島である必然性は詠みこまれていないと思いますが。
「椰子」といえばイメージは熱帯。
ですから、ここはもう熱帯、私は椰子の実、流れ流れて遠い島へ。
島崎藤村でしたっけ
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ
故郷の岸を 離れて
汝はそも 波に幾月
・・・
これを踏まえて水面に漂い遊ぶ作者。
プールに浮かぶ涼感を一緒に味あわせていただきましょう。
このような暑さを異常と思わなくなってしまうのではないか心配、と選者はおっしゃっています。それはそうですが、このような暑さがもし続いたら、その「続く」ということが異常ですよね。
そういう意味でも続いてほしくないですね。
辛かった。
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