帰燕
2010.9.27付 朝日俳壇より
あの子らも翔ちて帰燕となりしかな:(箕面市)菖蒲哲郎
「翔つ」というのは「たつ」でいいんですよね。「発つ」というような意味での造語でしょうか。
南へ飛翔して旅立っていく、ということで、「翔」を宛てた。
作者の家でかごく近所で、ツバメが子育てをした。成長する様子を楽しみに見守っていらっしゃったのでしょう。巣立ちして巣は空になった。
南へ渡るツバメたちをみると、あの中に「あの子」もいるのかなぁ、とひどく親しみがわく。
よくわかります。
私の場合はチョウの飼育。育てて羽化して放してやる。
チョウを見かけると、我が家から旅立ったやつかなぁ、などと見る目が違ってしまうんですね。
作者の目の温かさが句から伝わってきます。
また来年もおいでね。
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