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2010年9月 7日 (火)

{黙す}

今週、9.6付の朝日歌壇の各選者は、8月12日に亡くなられた河野裕子氏への追悼の歌をいくつかずつ選んでおられます。
夫君の永田和宏氏は、選んだ十首のうち五首が、河野氏追悼の歌です。
そして、通常ですと、選んだ歌への評を書く欄にこう書いておられます。

私事を書く場ではないが、選歌をしながら何度も泣いてしまった。二百通近い河野裕子を悼む歌が寄せられ、驚き、感謝している。河野は亡くなる前日まで口述で歌を作っていた。選歌も最後までやり遂げた。歌に択ばれた歌人だった。歌人としては幸せな一生だったが、家族としての喪失感に見合う言葉はまだ出てこない。

夫人を亡くされて、歌壇の選歌をお休みになってもよいのに、と思っておりましたが、ご夫婦共に、「歌人」であられます。

今週、河野裕子氏追悼の歌を敢えて私はこの俳歌倉に載せません。
言葉がないからです。

君を打ち子を打ち灼けるごとき掌よざんざんばらんと髪とき眠る
生きながら死んでゆくのが生きること眠るまへ明日の二合の米とぐ
しつかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ

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