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2010年9月15日 (水)

お祭り

0903_hdenkyu 9月3日
白山神社にて
お祭りの準備をしていました。
夜の境内を照らす電球です。
保護用の針金の籠のようなものに入っています。
下の部分が花びらみたいに開くんですね、これ。手作りでしょう。
上の部分のメインの電線に対して並列でつながっている。当たり前だけど。

私の世代では、ぎりぎりのところで、「アセチレンランプ」というものを知っています。
イメージ図を描いてみました。
Lamp
子どものころに自分の目で見て、多少大きくなってから何かの書籍で解説を読んで、それで記憶が強化され定着したイメージです。
下の缶が2段になっているというのは書籍から得た知識。ねじがどこかについていて、それを緩めると、上の段の水が下の段のカルシウム・カーバイドに滴下され、反応を起こしてアセチレンが発生し、くだを通って導き出され、点火すると明るく燃える。先端部が二股になっていて、二つの炎が交差して、そのぶつかった部分が明るかったような、これは記憶。
大人はよく、祭りのアセチレンランプは「くさかった」といいましたが、なぜか、においの記憶はないんです。祭りの人出に興奮していて、出店なんかに集中していたせいかもしれません。祭りの全体像はないんです。人出の中での小さな切り取られた「シーン」という記憶が少し残っています。

◆理科おじさんコーナー
ふつうこのアセチレンランプに使うものを「カーバイド」といいます。
でも「カーバイド=carbide」は「炭化物」という意味でして、何の炭化物なのか指定されていないことになります。
ですから正しくはカルシウムの炭化物=炭化カルシウム=カルシウム・カーバイド
=calcium carbide
なんですね。

F1

カルシウム・カーバイドは水と反応してアセチレンを発生し、水酸化カルシウム(=消石灰)を生じます。
で、このカルシウム・カーバイドというやつ、普通に売られているものはものすごく不純物が多いのです。そのために、アセチレンそのものは無色無臭の気体なんですが、不純物のためにものすごく臭いことになってしまうのです。これがいわゆる「アセチレンは臭い」ということになってしまった原因です。

アセチレンはアセチレン溶接に使うくらいで、酸素が十分に混ざった状態で燃やせば2000℃を越える炎が作れるのですが、実はものすごく不完全燃焼しやすい物質なのです。不完全燃焼すると炭素の微粒子が生成し、それが加熱されて光るんですね。それでランプに使えるわけです。完全燃焼の炎は青くて暗いので、ランプには使えません。

アセチレンの完全燃焼の青い炎で、生石灰(酸化カルシウム)の棒を加熱します。するとこれがものすごく明るく光るんですね。台所で卵の殻を熱くないように燃えない棒で挟んでガスの炎で焼いてみてください。殻の縁が明るく光ります。これを大規模、高温でやると、一種の照明用の光源になる。
英語で石灰のことをlime=ライムといいますので、この方法で舞台照明をしたので「ライムライト」なんですねぇ。(灯台の光源にも使ったという話もあります。)

高校の化学実験で、アセチレンを発生させて捕集し性質を調べるというのがあります。危険なので、3年生の少人数での実験くらいでしかやれませんけれどね。
試験管にいろんな割合で空気と混合してゴム栓をしておきます。
で、点火する。
空気とちょうどよく混じっているときは、ピュっとものすごい音を立てて爆発します。
空気がほとんど混じっていない状態のところへ点火すると、赤い火の玉が試験管の口から底へ向かって「走り」ます。これ、おもしろいので、生徒は熱中して繰り返すんですね。
適当なところで、おい、顔をあげて周囲を見てみろよ、というと、細かい煤が舞っていることに気づき、あわてて払うんですが、ノートや顔が煤だらけになるんですね。
アセチレンの捕集は、カルシウムカーバイドを水槽の中に放り込んで、その水と反応しているカルシウムカーバイドの上にロートをかぶせてポリ瓶に集めるのですが、やっているうちに水が白濁してきます。
溶けきれなくなった水酸化カルシウムのせいです。
水酸化カルシウム水=石灰水は強いアルカリ性なので、その水の中へ手を突っ込んで捕集作業をやると、手が後でゴワゴワになるんですね。生徒にはその話をして、今晩あたりから手がゴワゴワになるからね、ハンドクリームでも塗りな、と告げておきます。
翌日、どうだった?というと、みんな、ひでぇなぁ、なんという実験やらせるんだい、といいながら楽しそうに報告してくれるのです。

もう一つ。試薬として購入するカルシウムカーバイドは、缶入りなんですが、固まりが大きい。で、生徒に渡すには1cm程度の大きさのかけらに砕く必要がある。ところがこのカルシウムカーバイドという物質がおっそろしく硬いのです。
古い学校の実験室には、鉄製の大きくて重い乳鉢と鉄製の乳棒がありますので、飛び散らないように雑巾で蓋をしてガンガン砕きます。
そういう道具がない時は、しょうがない、雑巾を敷いて、固まりをのせ、また雑巾をかぶせて、上からハンマーで叩いて砕くののです。なんというか、荒仕事でしたね。

いろいろ頭の中が飛び回ってしまいました。わぁ~っと記憶が溢れてしまった。

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