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2010年9月13日 (月)

入場券

2010.9.12付 朝日歌壇より
一二〇円の入場券を買う発車するまでの時間を買う:(奈良市)杉田菜穂
 永田和宏 評:君が発つまでの僅かな時間を入場券で買う。字足らずも切ない恋の歌に似合うか。

そうなんだ、「時間を買う」のだったか。
入場券って、このごろあまり買うことがなくなりました。
入場券を買う必要というのは、見送りと出迎え。
都会では電車は頻繁に来る。見送るったって、汽車ではなし、車窓から名残惜しそうに手を振るなんてことはない。
出迎えるといっても、携帯で、今どこ?といったぐあいで、改札の前、でしょうね。

それでもなお、入場券が必要だとしたら。
そうなんだ、恋のシーンなんだ。
離れがたいのに、離れざるを得ない。その僅かの時間を買うのでしたか。
そのようにして買った時間の証として、入場券は大切にしまわれるんだろうな。
昔を思い出すな。お話ししないけど。
今さらに、入場券の意味を知りました。

ところで、この歌を、「短歌」として読めば字足らずというようなことになるのでしょうね

ひゃくにじゅう
えんのにゅうじょう
けんをかう
はっしゃするまでの
じかんをかう

こうなるのかな。でも、私はまるっきりこのようには読みませんね。

一二〇円の
入場券を買う
発車するまでの
時間を買う

破調も破調。4行詩でいいと思う。
決然とした思い。
かえって破調のほうが、恋心の深さを訴える力を増す。

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