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2010年9月28日 (火)

エスカレーター

2010.9.27付 朝日歌壇より
緩やかにエスカレーター上りゆく隣を駆けて登るひとゐて:(海老名市)川上益男

エスカレーターの右・左開け論争は続いたままですね。
私は右手でベルトにつかまらないと不安定でステップへの乗り降りが怖いので、東京の右開けの風潮には可能な限り逆らっています。

ふと、思うんですけどね。
今の御時世なんだか、他人との接触を嫌い怖れ、他者に不寛容で、見知らぬ人とのたった一言の声かけ、会話も鬱陶しがる。

エスカレーターの「ステップ」の上、というのが、ある意味である種「閉じた空間」として感じられるのかもしれませんね。
一つの閉じた空間の中に見知らぬ他人と一緒にいるということが不快・不安なのかもしれない。
だから、体(てい)良く、片側を開けるのがルールだ、なんて言いつくろって、他者を排除しようとしているのではないでしょうか。

ショッピング・ビルのエレベーターでは、子連れ、乳母車、車いす、杖使用などの方々の利用がある程度共通認識なので、互いに声をかけたり、何階ですか?と聞いたり、ドアが途中でしまってしまわないように押さえたり、いろいろな、瞬間的な交流が生じます。

でも、おそらくマンションのエレベーターだと、見知らぬ人と一緒に乗るのは気持ちのよいものではないかも知れない。

都会のエスカレーターは、孤独な閉鎖空間が前後に並んで上昇していく装置だ、と考えながら乗ってみてください。

ちょっとの心遣いで、やさしくなれるのにね。

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