獺祭
2010.9.20付 朝日俳壇より
獺祭のごと目薬を並べ秋:(京都市)辻弘斗
困った物知らずです。
まず読めなかった。イタチかカワウソとは思ったんですよ。で、カワウソだった。
「カワウソ・まつり」って何だ?と分からず。
京都にそういうお祭りがあるのかな?などといい加減なものです。
読めないままに「獺祭」で検索したら、お酒の銘柄が出てきた。
ふ~ん、酒瓶でも並べるのかなぁ?と不審。
この時点で「だっさい」という読みを知ったので広辞苑を引きました。
だっ‐さい【獺祭】
①カワウソが多く捕獲した魚を食べる前に並べておくのを、俗に魚を祭るのにたとえていう語。
②転じて、詩文を作るときに、多くの参考書をひろげちらかすこと。正岡子規はその居を獺祭書屋と号した。[広辞苑第五版]
ここに至って、やっと句の意味がわかりました。
カワウソが魚を並べる、というのになぞらえたんですねぇ。
何種類かの目薬を処方されたのでしょうか、事情はわかりませんが、情景は浮かびます。
これと、これと、これ。忘れず、これだけ点すんだぞ、と自分に確認して、これはまるで獺祭だなぁ、と苦笑なさったかな。
「評」というより「注」がほしかったというのが実感でした。
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