子猫
2010.9.12付 朝日歌壇より
捨てられた身の上をまだ悟らざり子猫四匹戯(じゃ)れ弾みいて:(高崎市)門倉まさる
馬場あき子 評:炎暑の夏に捨てられた子猫か。四匹とも生まれた元気を保ってじゃれ合っている姿にその後を予測させる。
「その後を予測させる」という評がどうも、わからなくって。
子猫の元気さ、それを見る作者の眼、から、救われて育てられる「その後」なのか。
なんだかよくない「その後」も予測されます。
あの時元気だった子猫、どうしても気になって戻ってみたら、ぐったりとなっていた。
わからないや。
まじめで、授業に遅刻などしたこともない女子生徒が、定期テストに遅刻してきた。
私のところへ飛び込んで来て、タオルにくるんだ子猫を差し出し、テストが終わるまで預かってほしい、と。
体を拭いて乾かし、ほどなくテストを終えてきた生徒に渡して、獣医さんと相談しなさい、ミルクの与え方、排便のさせ方などもちゃんと聞きなさい、と。
翌日。先生、あの子猫、夕べ死にました。でも、一晩だけでも「うちの猫」でした、うちの猫として死ねたのは、幸せだったと思います、との報告。
ご家庭の、懐の深さに深く感じ入った出来事でした。
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