蟻地獄
2010.9.20付 朝日歌壇より
蟻地獄に蟻捕へては落としゐる夏もをはりの少女のあそび:(笠間市)北沢錨
馬場あき子 評:夏の少女の無邪気な遊びの中に無意識に潜む可憐な残酷さをみている。
永田和宏 評:新しい遊びに興じる少女という一見和やかな景だが「夏もをはり」の背にはどこか不吉な影が。
「無邪気で」「残酷な」「遊び」
ちょっと紋切り型ですね。
いいんですよ、蟻地獄に蟻を落してみて、どうやって捕まえるのか、ドキドキしながら観察する、とっても大事なことです。そういう経験をしないから、命の大切さをかえって知らない子が増えるんです。
昆虫少女が増えることは大歓迎。
ジョロウグモやコガネグモの網に、バッタやハエを放り投げてくっつけて、どうやってぐるぐる巻きにしてエサとして捕まえるのか、なんて、是非経験して欲しい。
カマキリはどのようにエサの昆虫に近づきカマを伸ばし、捕えるのか。チョウを捕まえた時など、翅を切り離してから食べますが、どこが食べられてどこが食べられないのか、どうして知っているのか・・・じっくり観察して欲しい。
そうやって大人になってこそ、生物多様性の意味のわかる次世代の担い手になれるんです。
虫遊びをしましょう!虫はヒトの先生です。
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