いまそかり
2010.9.27付 朝日歌壇より
山道にありをりはべりいまそかり団栗は皆己の形:(可児市)前川泰信
高野公彦評:言葉遊びをまじえた楽しい歌。
私も「ありをりはべりいまそかり」って覚えましたっけね。
今、広辞苑をひいたら
「いまそかり」→ 該当項目が見つかりません
「いまそ」で引いたら「いまそがり」がヒットしました。
いまそ‐が・り【在そがり】 自ラ変 「いますがり」に同じ。
います‐が・り【在すがり】 自ラ変
(イマス(坐)カ(処)アリの約) 「あり」の尊敬語。おいでなさる。いらっしゃる。「いまそがり」
「いますかり」とも。竹取物語「翁のあらむ限りは、かうても―・りなむかし」[広辞苑第五版]
あ~らら、知らなかった。何十年も知らなかった。
「団栗の背競べ」という成語がありますが
団栗の背競セイクラべ:どれもこれも似たようなもので、大したものではないこと。[広辞苑第五版]
そんなことないですよぉ。みんな違うんだからぁ。
一つ一つが大事な実。「大したもの」なんですよぉ。命を繋いでいく実です。
上掲の歌、みんなそれぞれ自分のの形をしている、とおっしゃっています。嬉しくなりました。
「楽しい歌」ですが、重要な発見・主張をはらんでいると私は受け取りました。
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