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2010年8月10日 (火)

兜虫

2010.8.8付 朝日俳壇より
兜虫落ちないように飛びにけり:(富士見市)新藤征夫

カブトムシは体が重いですからね、あれが飛んでくるというのはかなり大変そう。
「落ちないように」というのはそのあたりをうまく表現しています。

ところで、トンボは昼間に活動して自在な飛翔を見せます。飛びながら獲物を籠状にした脚で抱え込んで捕まえて食べます。
その飛翔には「視覚」が大きな役割を果たします。単眼が明暗の切り替わるところ、つまり地平線などを検知して、地面へ向かってダイブしてしまうことを防いでいるとも聞きます。

カブトムシは夜、月明かりの中を樹液などを探して飛びます。
月を見る角度を一定に保つと水平に飛べるのだそうです。地上でいくら飛んでも月の角度はその飛翔によっては変わりませんものね。不動点として扱えます。
しかし、カブトムシの飛行ははっきりいって、下手。トンボ、ハエ、アブなどは、自在に飛んで自在にやわらかく目的のポイントにとまります。
カブトムシは、木の幹に体当たりして止まります。うまく速度を落として、着陸時には速度ゼロにするというような飛び方はできません。体が丈夫ですからいいのですけれど。ガツンとぶつかって、やっととまるのです。

ところで、夜行性のガなども、同様に、月を見込む角度を一定に保つ、という飛び方ができます。
ところが、月は遠いから、それで水平飛行になるのですが。
地上にある光源、たとえばたき火に対してこの飛び方をするとどうなるか。
光源を見込む角度が一定の飛び方をすると「等角らせん」というラセンを描いて光源に接近していってしまいます。
「飛んで火に入る夏の虫」というのは、このような習性がもたらす行動なのですね。

ご参考までに↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_9af9.html

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-d0e5.html

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