稚魚
2010.8.8付 朝日歌壇より
針先のごと頼りなき稚魚たちが人影させばはや藻に隠る:(名古屋市)田中稔員
何の稚魚でしょうね。メダカ?キンギョ?フナとかコイとか・・・?
最初はね、人の歩く振動や水面にかかる「影」などを捉えて隠れるんですがね、やがて「学習」します。
エサくれる音だ、影だエサだ、とね。
そうすると、よってきて、ちょうだい、ちょうだいとなります。
かわいいですよね。
ただ、そうなると、猫なんかが手を突っ込んで呼びよせてひょいと外へすくいだしてしまったりできるようになる。痛し痒し。
ザリガニもそうだったな。人の影を感知して、水面に上がってきて、ちょうだいちょうだい、と小さなハサミを振り上げて催促するんですよ。ガラス細工みたいなザリガニがね。
小さな生きものたちとの交流は楽しいものです。
◆小学生の頃、ランチュウの品評会で上位をとったというおじいさんの家に入り浸っていました。姿のよいランチュウは、畳一畳くらいの広さの水槽に1,2匹しか飼ってはいけないんです。密度が高いと姿が乱れるんですって。
餌用のミジンコを発生させる池もあって、ヒルが泳いでいましたっけ。
これはおじいさんの趣味で、大きなコイとウナギがいる池もあって、人の姿を見ると、よってくるんですね、大きなコイの口の中に指が吸い込まれるんですよ、ちゅぱちゅぱ吸いつくんです。かわいいものです。ウナギも指に吸いつくんですね。コイの喉の奥にはな、歯がある、触れるだろ、それでかまれると、10円玉も折れるぞ、といわれてびっくりしました。
かわいがられて、いろいろ金魚などの飼育法を教わったものです。
自転車で事故に遭って、入院し亡くなったのですが、自分がいくら痛くても、他の患者さんたちに迷惑をかけてはならない、と一言もうめき声も出さずに頑張った、と後で聞かされて、自分もそうあらねばならない、と強く思ったものでした。小学校4,5年の頃でしたでしょうか。
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