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2010年8月27日 (金)

クスノキ

0813_5kusu1 8月13日
これ、何の変哲もないクスノキの葉っぱです。
0813_5kusu2
黒い矢印で指し示した2カ所。よく見て下さい。ちょっと膨らんでいるのですね。
0813_5kusu3
光の当て方を工夫して、この2カ所が膨らんでいることを反射光で確認できるようにしてみました。いかがでしょう?わずかですが膨らんでいます。
さて、なんでこんな写真をお目にかけるのか、面白い知識を仕入れてしまったので、みなさんにもご紹介したくて。

「日経サイエンス」 2010.09号の
茂木健一郎 科学のクオリア:身近な植物の意外な戦略
ゲスト:多田多恵子(植物生態学者)

こういう記事を読んだのです。ではみなさんも、その部分を読んでみてください。

  クスノキの小さな味方
多田:ここの葉脈の、枝分かれになった根元のところを見て下さい。ちょっと膨らんでいますね。なぜだかわかりますか。
茂木:全然わからないです。養分の流れの問題?
多田:これ、ダニ部屋なんです。この中にダニが棲んでるの。
茂木:へえー。虫こぶと同じようなものですか。
多田:そうそう。中に虫がいるから植物の組織が膨らむんです。
茂木:そうなんだ。何割くらいの確率でダニがいるんですか?
多田:多分、どのクスノキにもいます。
茂木:知らなかった。面白いな、こんなに一体化してて、。これって、ダニにとってはどういう意味があるんですか。
多田:ここに棲んでいるのは草食性のダニで、植物の軟らかい内側の組織の汁を吸っているんです。植物にとっては栄養をとられちゃうわけですが、ダニはこの中にしかいないので、割と無害です。で、このダニは増えると、裏側の開口部からチョロチョロ出てくる。
茂木:そこに白いのが走ってるけど。
多田:それは違います。顕微鏡でないと見えないくらい小さなダニです。で、これが出てくると、別の肉食性のダニが来るんです。そして草食性のダニを食べるんですが、それだけではなくて、もう一つ、徘徊している別のダニも食べます。
茂木:はい。
多田:そっちのダニは、葉っぱをクルクルと巻いちゃうんです。巻かれると光合成をするのに不利になるので……。
 ・・・
茂木:クスノキにとっては、こっちはもっと困ると。
多田:そうなんです。だから草食性のダニを飼っておくと、肉食のダニを呼び寄せて、葉っぱを巻いちゃう奴を食べてもらうことができる。
茂木:少しの被害で大きな被害を食い止めている。寄生されているというより、呼び込んでいるんだ。
多田:呼び込んでます。
茂木:やっぱり聞いてみるもんだなあ。専門家って、すごいね。よくそんなことにきづくもんだね。
 ・・・

さて、もう一度、冒頭3枚の写真を見返して下さい。そういう、植物と動物のドラマがここで繰り広げられるのですね。すごいでしょ。読んでいて嬉しくなってしまって、我が家のクスノキを早速見に行ったら、確かに膨らんでいました。すごいですねぇ。植物の戦略。
一緒に進化してきたんですね。クスノキもそのダニも。
ですから、もし、そういう草食性のダニがいない他所の国の環境のようなところへ、クスノキを移植すると、葉を巻かれっぱなしになって、クスノキが繁茂できないかもしれない。
あるいは逆に、どのダニもいなくって、やたらとクスノキの勢いが強くなって周りの環境を圧迫するかもしれない。
長い時間をかけて、食うもの食われるものが共に進化してきて今の生態系を作っているわけです。これを、ヒトの浅知恵でいじってはいけないのですね。

好奇心だけで生きているようなかかしさんには、こういう話は「大好物」です。
あ~面白かった。まんぷくじゃ。

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