富士の裾野
2010.8.2付 朝日歌壇より
あまのはら富士の裾野を走りゆく戦車つぎつぎ霧中に消えつ:(静岡市)篠原三郎
ずいぶん昔の話です。
御殿場の国立青年の家で、生徒会かなぁ、クラスの委員かなぁ、の研修合宿を引率しました。
隣接して自衛隊の演習場がありましてね、朝は戦車の音で目が覚める。
朝のラジオ体操の音楽に、自衛隊の演習の無線が混信してくる。
レクにオリエンテーションをやったら、間違っても演習場に紛れ込まないようにと警告されてしまった。
なんだかねぇ。気持ちのよいものではなかったです。
そこに、武力の「塊」が現実に存在する、という恐ろしさを感じました。
もう一つ、私の個人的な感想は。夜中に、殺虫剤のタンクを積んだトラックが敷地内をくまなく走り回って、朝起きてみると、至るところ昆虫たちの死骸で埋め尽くされていたことですね。
武力とは命を踏みつぶすものです。
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