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2010年8月18日 (水)

2010.8.16付 朝日俳壇より
蟬鳴くや地球の病んでゐやうとも:(市原市)鈴木南子
 稲畑汀子 評:地球の温暖化を言われて久しい。自然の中で生きていくものの生態系が変わってしまう怖れがあろうとも、今また変わらず鳴き出す蟬にほっとする作者である。

「地球が病む」ということが私には少し論点のずれを覚えるものです。
地球上に発生し、38億年かけて地球を覆ってきた「生態系」がきしんでいるのです。
地球自体は「生命」に対して「優しい」わけではない。むしろ、生命の生存に対して強い圧力をかけてきた、だからこそ、「進化」があり得たのではないでしょうか。
「地球に優しい」という口当たりの良い言葉がはやりますが、そうではないのでして、人間をも含む「生態系」を維持していけるかどうか、が基本的な論点なのです。

子どもの頃、セミといえば、ニイニイゼミとアブラゼミとツクツクホウシでした。
それが今は、ミンミンゼミがアブラゼミを圧倒しそうな勢い。ニイニイゼミは全く見かけなくなりました。
東京の片隅で50年以上見続けてきて、生態系が微妙にずれてきている。
アオスジアゲハなど遠いあこがれのチョウだったものが、今は自宅のクスノキで普通に繁殖している。
現在の生態系が壊れて、ヒトの生存に適しなくなっても、生態系は別なバランスを回復するでしょう。
生態系は何らかの形で持続する。
ましてや、地球はちゃんと持続します。

セミの鳴き声に生態系のシフトを読み取って下さい。それは実際に進行していることなのですから。

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