案山子
2010.8.23付 朝日歌壇より
わが人生四十五年を教室に立ちて暮れたり案山子のごとく:(青梅市)津田洋行
どうも、わたくし自身「(一本足の)案山子」を名乗っておりますもので、気になってしまいました。
45年ですか、存分に立ちつくされましたね。
わたしの場合は、31年しか教壇に立てませんでした。教諭としては26年です。短かったな。やはり障害者というものの衰えは速いよな。教諭としてのフルサイズの勤務には体が耐えられなくなってしまった。ハーフサイズの勤務というものがあれば、もう少し続けられたかもな、などとも思います。
教壇に立つ。生徒の成長に立ち会う。それはまさしく「案山子」です。
毎年毎年、苗が伸び、花をつけ、稔り、収穫される。
この過程に立ち会い続けるのが案山子の役割でしょう。
毎年毎年、新たな生徒と出会っては育て、送りだす。
作者のもとで育ち旅立って行った方々の稔り多き人生を祈ります。
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