蜘蛛の囲
2010.7.11付 朝日俳壇より
蜘蛛の囲のありかを明かし雨上がる:(熊本市)山澄陽子
稲畑汀子 評:蜘蛛の囲の所在を雨粒がおしえてくれる。
申し訳ない。もうひとひねり欲しかった。
この「想」は既にかなり詠まれているはずです。私のような門外漢でも、読んだ記憶がある。
ただ、「蜘蛛の囲」を用いて、もう一つ新鮮さを工夫するのは辛いかもしれない。
「蜘蛛の囲」というレッテルではどのような網なのかが伝わらない。普通は円網ということになるでしょうね。
よく見る「棚網」とか、ヒメグモの乱れた網とか、そういうものを巧く見据えて捉えられるといい。
ヒメグモの光の粒を散らす網
棚網に水を湛えて雨上がり
下のページには、いろいろな網を作る「造網性のクモ」が紹介されています。
http://brookspider.hp.infoseek.co.jp/web-builder.htm
実体に迫れるといいですね。
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