一粒の砂
2010.7.26付 朝日俳壇より
一粒の砂も地球も片かげり:(横浜市)日下野禎一
かた‐かげ【片陰】
①一方が物の陰になっている所。
②日光のあたらない所。特に、夏の午後のひかげ。<季語:夏>[広辞苑第五版]
俳句ですから、一応季語として「片かげ」をお使いになったと思うのですが。
では、意味は?
砂も地球も夏の午後、なのでしょうか。
①の意味なら?
くっきりとした日差しに砂にも影が出来ている、地球も、半面が明るく照らされ半面が暗い。
そのように、極小の砂を見る地上の人の目と、地球の片陰をみる宇宙から眺める「神の目」を同時に表現していると、この句を読んではいけませんか?
さらに、一歩、踏み込んで。
「砂の粒」が、はやぶさが小惑星から持ち帰った砂の粒であるとみるならば。
はやぶさが帰還して燃え尽きた故郷・地球、宇宙を運ばれてきた小惑星の砂粒、ともに夏の太陽に「片陰」っている、と。
読み込み過ぎだろうな。
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