ブブゼラ
2010.7.11付 朝日歌壇より
豆柿に小花震わすハチ群れて朝から庭にもブブゼラの音:(福島市)澤正宏
この歌、素直に、ハチの羽音をブブゼラの音にたとえたもの、と読んでいいんですよね。
朝、庭に出てハチが群れて熱心に授粉に励んでいるのを見ていたら、家の中のテレビからはワールドカップのブブゼラの音が庭にまで漏れてきた、と読みこまなくていいですよね。
素直に読ませてもらえば、ハチのあのブンブンいう羽音をブブゼラにたとえるというのはすごくかわいくていいたとえですね。超小型ブブゼラだ。思わず笑みが浮いてしまう。
時宜にかなった、まことにお見事な比喩をいい当てられましたね。
◆やっと終わりましたが。
左耳が騒音で難聴になってしまった私には、ブブゼラの音は暴力的です。
サッカーには一切関心がないので、中継とかは見ませんが、テレビのニュースは否応なしに流れて来る。
バックにああいう騒音が流れてしまうと、肝心のアナウンスがほとんど聞き取れないのです。
あきれました。ブブゼラにも、自分の耳にも。
騒音の中から目的の人の声を聴き分けるという能力を全く喪失しました。
もう十年の桁で喫茶店という場所に入ったことがないですが、バックグラウンドに音楽を流している環境では会話も出来ないということですね。そういえば、若い頃酒を飲みに入ったバーでも、ジュークボックスからとんでもない轟音の音楽が流れていたな。
もう耐えられない環境となりましたことよ。
静かな庭で、ハチのブブゼラに聞き入りましょう。
ハチのささやきは甘いゾ。
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