塗り椀
2010.7.19付 朝日歌壇より
吸ひつける蓋をとるよりだし汁の底まで見ゆる加賀の塗り椀:(東金市)山本寒苦
そういう上等な椀で飲む吸い物は、なんだかあんまり好みじゃない。
庶民ですから、わたし。
細工が完璧なんで、汁の上の水蒸気が液化して圧力が下がると、蓋が本体に吸いついてしまって取れなくなるんですよね。無理に蓋を引きはがすと、中味をこぼす。
椀をわずかに歪ませて、蓋との間にすき間を作ると圧力が等しくなって簡単に蓋がとれるわけです。
わたし、「うつわで食べる」たちじゃないもんで。
食べ物は「味で食べる」ものだと思っております。
見てくれが悪くたって、うまいものはいくらでもある。
妙に「いろどりに・・・」とか、「器を工夫して涼しげに・・・」とか、いわれるとそれだけで食べたくなくなってしまうたちです。へそ曲がりだから。
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