ヒゲコガネ♀
6月26日
電車に乗って本屋散歩に行こうと駅に来たら。
駅の清掃していたおじさんのモップが近づくその先に「むしがいる!」
あわてて、拾い上げて救出。夜の灯りに飛んできたのでしょうか。よくこの時間まで踏みつぶされずにいたものよ、と驚きました。(午前10時少し前です。)
いつも携帯しているコンパクトデジカメでの撮影です。
ヒゲコガネのメスですね。オスはとんでもなく「ヒゲ」が立派なんです。
側面を見せてもらったり
顔を見せてもらったり。
なんだか表情があどけない気がしませんか。
おまえ、危なかったんだぞと言い聞かせましたが、どこ吹く風。
さて、どうしようかと思ったのですが
ホームの窓の金網の目をくぐらせることが出来ましたので、外に出しました。
外には、けっこう草も生えているし、何とかなるでしょう。
一目につかないように右の方へ行きな、と指で押すと、怒るんですね、シューシュー音を出します。どこからそういう音が出るのかよくわかりませんが、珍しいですね。
首のあたりでギシギシ音を出すのはいます。カミキリとかね。
でも、シューシューというのは珍しい音でした。
電車2台ほど乗り過ごしましたが、無事、視界から去っていったので、安心して本屋散歩に出かけたのでした。
◆朝日新聞に落合恵子さんがエッセーを連載しています。題して「積極的その日暮らし」。
世代感覚が近いからなぁ、非常に心に沁みたり、うなずいたり、楽しく読んでいます。
6月26日のエッセーは「ありふれた朝の」という題でした。
・・・
私の前を早足に行く同世代の男性が。・・・。と彼が、曲がり角の黒いフェンスの前で、立ち止まった。
うつむき加減に咲く純白の花をつけた枝が、道路にとびでているあたりで立ち止まったのだ。そして、細くしなやかな枝に手を伸ばした。
おじさん、何するの?枝を折らないで、と思ったおばさん、わたしは、すぐに自分の不徳を恥じることになる。
背を屈めた彼は、それはやさしく枝に手を添え、花に顔を近づけて香りをかいだのだ。花のひとつひとつに顔を寄せて。それから、ありがと、とでも言うように枝を撫でて、再びさっきと同じように歩きだした。
ただそれだけ。ありふれた朝の中の、数分間の光景である。
が、わたしは今日一日の、淡い幸福の保証を贈られたような気がして、彼の後ろ姿を見送った。
・・・
大仰なファンファーレと共に訪れる大きな幸福とやらには慣れてはいないし、少々臆してしまう。
むしろ、誰かの仕草が引き出してくれる「生きてるって捨てたもんじゃないな」という、淡い充足。それでいい、それがいい。
・・・
なかなか、しっとりしたよい文章ですよね。
さて、おじさん、「かかし」、が虫を手に拾いあげ、包み込んで話しかけ、気をつけるんだよと網の外へ送り出している姿を見たら、幸福を感じてくれるおばさんは、いるのかなぁ?
やっぱ、話は「花」だからいいんだろうなぁ。「虫」じゃあなぁ。
私の虫に対する仕草が、「生きてるって捨てたもんじゃないな」という、淡い充足を引き出したりは。
しないだろうなぁ。
◆私としては、左手に虫を包み込みましたから、どこかでやっぱり手を洗うべきかな、などと考えつつ電車に乗り、すっかりそのことを忘れました。
無意識に、汗ばんだずれた眼鏡を外して、鼻の脇、ほほのあたりの汗ばみを左手で拭ってから、あらしまった、洗ってないや、まあいいかぁ、人間の皮膚は結構タフなもんさ、とつぶやいたのでした。
この一連の話で「幸福」を感じて頂けると嬉しいのですが・・・
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