ゴキブリ
6月6日付の朝日歌壇・俳壇の下の記事にこんなのがありました。
旧約聖書に登場?ゴキブリ騒動記(6/6)
扁平な体形で、室内を競走車さながらに疾走するゴキブリ。本日はその捕獲に失敗した朝日歌壇のゴキブリ騒動記だ。
発端は、5月17日付の松戸市・東洋さん作<ごきぶりは旧約聖書の中でさえ打たれいるらし我も叩きぬ>。軽妙な歌風を馬場、永田選者が採用した。
掲載後、キリスト教信者の方から問い合わせが。旧約聖書にゴキブリの語を見た覚えがない。邦訳の違いでゴキブリが出るテキストがあるなら知りたいとの趣旨である。
東さんに打ち返す。小説かエッセーで呼んだ記憶がモチーフという。いそぎ手元の聖書をめくる。イナゴ、バッタを発見。だがゴキブリがいない。
聖書協会翻訳部に照会する。「面白い歌で笑ってしまった」と同部の島先克臣主任。「でも何かの誤解。訳語如何によらず聖書にゴキブリは登場しない。協会の公式なコメントです」
私もこの歌について記事を書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-ed73.html
聖書は徹底的に読みつくされた書籍ですから、すべての言葉が検索できるはずなのです。おそらく。
結論として、旧約聖書にはゴキブリは登場しないそうです。
なぜ、ゴキブリがこれほどまでに嫌われるのか、納得いかないかかしです。
好きになってくれとはいいませんが、互いに生き物同士、付き合い方っていうものがあるんじゃないですか。
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コメント
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こんにちは。
「ゴキブリは旧約聖書の中でもスリッパで叩かれる」という記述は、ガルシア=マルケスの『百年の孤独』にあります。
投稿: ゴキゴキ | 2012年5月13日 (日) 08時19分
なるほど。私の読書範囲にない作品で、全く知りませんでした。ひとつ重要な決着がついたようです。ありがとうございました。
投稿: かかし | 2012年5月13日 (日) 15時21分