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2010年6月 4日 (金)

硬さ

今朝、こんな記事を見ました。

水の硬さ測る洗濯機
 ○○は、水の硬さや温度を測って最適な量の洗剤で洗う、高機能の洗濯乾燥機を25日に発売する。・・・

記事を書く記者の「科学レベル」が問われますね。
文系の方で、科学用語というものを嫌う方がいらっしゃいます。なんで当たり前みたいなことをわざわざ難しい言い回しにするのか、と。
日常用語が含む幅広い意味、曖昧さを避けて、意味を限定し、その用語によって相手に伝わる意味を限定するのが科学用語です。詩じゃないんで、同じことばによって発した側と受けた側で意味が異なっていては科学は成立しないのです。
そのために、漢字などを多用して、日常用語から遠ざけて、意味を限定して使うのです。
コミュニケーションには重要なことです。

さて、「水の硬さ」って何だ?
この硬い水を張ったプールに飛び込むと、怪我するのか?
水泳の飛び込みには「柔らかい水」が要るのか?

敢えて、くだらないことを言いました。
「水の硬度を測る洗濯機」が正確な表現です。
水の硬度とは水に溶けているカルシウムやマグネシウムの濃度のことです。
力を加えたときの「硬さ」ではありません。
カルシウムやマグネシウムが多く溶けていると洗剤の泡立ちがよくない、ということで、その濃度を測定して、ちゃんと泡が立つような洗剤量を決める、そういう「洗濯ロボット」のようなものを開発した、という記事ですね。
「硬度」というのが難しい言葉だと思ったのでしょうか。「硬さ」にしてしまったために曖昧さを生じました。
曖昧さを排除する科学に長くなじんできた者にとっては哀しい。

情けない記事だなぁ、というのが私の正直な感想です。

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