研ぎたて
2010.5.31付 朝日歌壇より
研ぎたての刃はやわらかに玉葱の真白をぬけて淡き透明:(京都市)八重樫妙子
高野公彦 評:研ぎ上げた刃の美しさと鋭さ。
玉葱を切るにはサクッと抵抗感もなく。
刃に指で触れれば研ぎたて独特の「ひっかかり感」。
一瞬、ためいきのでるような瞬間でしょう。
◆思い出。
昔、包丁をよく研ぎました。やりすぎましてね。薄く鋭く、研ぎ過ぎた。
あんたねぇ、こんな研ぎ方したらトマトの皮で刃がめくれちゃうじゃないの、と叱られた。
あんまり薄くしてはいけないんですね、包丁は。以来研ぎ方を変えましたが。
製図器も研ぐんですよ。油砥石というものでね。凝りましたねぇ。メス、ハサミ、肥後の守、安い鉛筆削りの片羽の替刃、なんでも研いでみた。
思春期のひと駒。結構、暗いでしょ。
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