水輪
2010.5.10付 朝日俳壇より
落花して花の水輪となりにけり:(箕面市)楢崎真左子
長谷川櫂 評:花びらが水面に落ちて水輪が広がる。水輪はただの水輪なのだが、「花の」とたたえた。
花を中心として、水輪の花が開いていく、というような感じで読んでいて、評をみてちょっとがっかり。
水面に波紋が広がっていく時「水輪はただの水輪なのだ」と思って見ますか?
私のような理系の人間でも、その波紋をつくりだしたものに、その波紋は属するように見えますが。
母カルガモがつくる力強い波紋、子カルガモがつくり、自分では追いつけないような波紋。
花が落ちて揺れる花と広がる波紋。
みんな、波をつくったものと波とをあるていどまで一体化してみていませんか?
花がつくる花の水輪の余韻。そんなものを読み取りたいと思います。
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