花散りて
2010.4.11付 朝日俳壇より
花散りて花びら帰るところなし:(四日市市)小井寒九郎
長谷川櫂 評:路上を漂う花びらを見ての詠だろう。まこと帰るところがない。
そうですね。時間は逆向きにはならない。散った花びらが「帰る」ことはない。
しかし、帰るところはなくても、「還る」ところはあるのですよ。
地球に生きる生物同士、すべて、やがて地球に還るのです。
花が散るということは、花びらがその役割を終えて、土に還る姿です。
すべての生き物は、土に還り、地球に還り、再び生命をつくる。
私たちは循環しているのです。
一方通行ではないのです。
回帰するながれ、それがいのちです。
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