春の闇
2010.4.5付 朝日俳壇より
匙を手に春の闇を喰べる人:(市川市)井上三七
金子兜太 評:濃く生暖かい春の闇。それを睨んで大匙で食べている一人の男。生臭く独特の存在感。
闇を睨んで食べる人、という「具体」ですか。
私は、ちょっと心象風景というか「抽象」というか
こってりした春の闇を、姿も見えない闇の中の男が、温めたスプーンでアイスクリームをすくい取るが如くに、すくい取っては呑み込んでいる。
そんな怪しさを春の闇に見てとっているのではないか、と。
その方が生臭いです。
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