西行忌
2010.4.19付 朝日俳壇より
さまざまな詩(うた)口ずさみ西行忌:(千葉市)宇田川敏二
長谷川櫂 評:人間の口というものは詩をくちずさむ。西行をたたえるにふさわしい一句。
どうも、意味不明な評で。困った。
かかし評:「ことばによる表現」というものは、人間存在の根幹である。西行を思い、詩を口に含む。まさに西行忌である。
花吹雪浴びて死にたくなかりけり:(横浜市)橋本青草
3月30日付の「天声人語」
じらされれば恋心は募るという。今年の春の女神は駆け引きが上手らしい。桜の開花宣言を聞いて腰を浮かせたら、そのあとの東京は冬のような花冷えが続く。ほころび出して足踏みしたまま、春爛漫はおあずけを食わされている。
暦を見ると、きょうは陰暦の2月15日にあたる。桜を愛した平安末の歌人西行の「忌日」である。〈願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ〉は名高い。新暦の季節感だと「如月(きさらぎ)に桜?」だが、旧暦は今が「如月の望月(満月)のころ」だった。
西行は願い通りの死を迎えた。望月より1日遅い16日に没したが、歌聖を慕う後世は15日を西行忌とした。〈花あれば西行の日とおもふべし〉。出版人として知られた角川源義の一句である。
・・・後略
3月30日が「望月」。
しばたはつみさんがなくなられたのが3月27日、旧暦2月12日。
報じられたのが3月29日。
29日に訃報を聞き、30日に西行の歌がひかれました。
偶然とはいえ、しばたさんの死を悼む文のように感じられました。
美しく華やかな方が、きさらぎの望月間近の花の下にて世を去られ、4月4日、花に見送られて旅立ってゆかれました。
57歳だったそうです。
早かったといえます。でも、みごとでした。
かかし 敬して白す。
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