逆向きに
2010.4.11付 朝日歌壇より
逆向きに流されてゆく鴨もいて春の川面に日射し煌めく:(鹿角市)柳澤裕子
永田和宏 評:「逆向きに流されてゆく」が目のつけどころ。平明な歌だが、自然を見る目の愛情を感じさせる一首。
上流へ向かって、ゆったりと泳ぐ鴨。鴨としては前進しているのですが、川の流速の方が大きい。主観的には前進しながら、岸から見れば下流へとゆっくり流されている。
その主観と客観のはざまに、ゆったりとした春の川の流れを見ていらっしゃる。
楽しい眺めですね。
◆別件ですが。
ずいぶん前ですが、台風の風が吹いている時でしたでしょうか。
多摩川の川筋に沿って猛烈な風が吹いていました。
ハトが一羽、風に逆らって羽ばたいていました。
ハトとしては懸命に前進しているつもりなのです。
ところが、土手で眺めている私から見ると、ハトは後ろに進んでいるのでした。
ハトの対気速度は前進、ところが対地速度は後退だったのですね。
こういうことが起こりうるものなのかと、鮮明に覚えているシーンです。
あのハト、焦っていたのだろうなぁ。必死に飛んでいるのに後ろにさがってしまうのだものなぁ。
思い出してしまいました。
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