デシベル
「対数」などというものが前の記事で登場しました。数学なんて日常生活には関係ない、と思っていても、地震のエネルギーとマグニチュードなどというところに登場してきてしまいました。
実はもっと身近なところにもあるんですよ。
「ヴェーバー‐フェヒナーの法則」というものがあるのです。何かというと感覚刺激のエネルギーの大きさと、私たちが感じる感覚の強さの間の関係の話なのです。
正確に測定できる量、とはいいにくいのですが
にフェヒナーの法則では
心理的な感覚量は、刺激の強度ではなく、その対数に比例して知覚される。
と言っています。
ね「対数」が出てきてしまいましたね。
よくいわれるのは、音の感覚についてです。やっと聞こえる小さな音からジェット機の轟音など、いろいろな音を私たちは聞きますが、エネルギー量でいうと「桁」が違うのです。
そこで、音響関係で「dB(デシベル)」という言葉をよく聞きます。
ポピュラーなのは「音圧レベル(dB)」です。
標準音圧に対する音圧の比の対数を取っています。
ということは、音圧が10倍100倍と増えるときに、感覚的には直線的な音圧増加と感じられるということですね。
2010年版の理科年表、物理の部78(428)から引用します。
こんな具合でして、対数で「桁を取り出す」というような操作を、私たちの感覚が行っているのですね。
視覚に対しても、星明かりから浜辺の太陽光まで、エネルギーレベルの広がりは「桁はずれ」に大きいので、感覚としてまともに受け取れず、いろいろと、桁を取り出したり、感度そのものを変えたりして対応しているようですよ。
対数が身近になりましたか?
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