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2010年3月 4日 (木)

世界最低気温

3月3日付の朝日新聞「南極豆たんけん」で中山記者が世界最低気温について書いています。

南極大陸の内陸部、標高3810mにある日本のドームふじ基地では1996年5月と97年7月に零下79.7度を記録
世界最低気温は、3488mにあるロシアのボストーク基地で、83年7月に記録した零下89.2度
北極だと、シベリア東部にあるロシアのオイミャコンで、零下71.2度の記録

寒いですね。水銀が凍ってしまいます(融点 -38.8℃)。アンモニアを発生させると気体ではなく液体になってしまいますね。(沸点 -33.48℃)
その理由として中山さんはこう書いています。

南極は内陸ほど標高が高く、大陸を覆う氷も厚くなり、氷が冷やす役割を担います。真っ白な雪や氷が太陽の日差しを反射して、土の地面のように太陽からの熱をためられないのも寒い理由です。

北極点は北極海の中ですよね。水は凍るときに熱を出します。ですから、海が凍ると熱を出すのです。ですから大地のど真ん中のようには冷えない。
土が冷えるには限度がない。だから、北極での最低気温も、シベリアという大地の上での記録です。
南極は大陸。水が凍るときの潜熱の放出が期待できませんね。まったく、冷えっぱなしです。
こんなことも、南極の方が寒い理由の一つになるだろうと思います。

◆この「南極豆たんけん」という連載の第1回目は「氷山はしょっぱい?」というものでした。
(2月21日付でした。)
氷山はしょっぱくない。「南極大陸に降り積もった雪が氷となり、海に押し流されたものだからです」という解説がなされていました。

 その論理だと、海水が凍った北極の氷はしょっぱいのでしょうか?

冷凍庫にブリックパック入りのジュースを入れて凍らせてみてください。(ガラス容器のジュースはダメですよ~。凍るときの体積膨張で瓶が割れてしまいますから)。
全面的に凍るまえに取り出してみましょう。凍るときの体積膨張でパックが膨らんでいます。ハサミでパックを切り開くと、外側が凍っていて、中央付近に凍りきっていないジュースがあります。

さて、食べて見ましょう。

ジュースはすごく濃縮されています。
氷はあんまりジュースの味がしません。

ジュースの中の水が凍る時、氷の構造の中に他の物質を取り込まないのですよ。
ですから、単一の氷の結晶についていえば、単なる水の氷です。
ただ、あちこちで、氷が成長し、隣の結晶とくっつく時に、その間にジュースを閉じこめてしまうことはありますね。だから、氷全体としてかじると、ジュースの味が少しはするかもしれませんが、薄~い味のはずです。
氷から取り残されたジュースは中央付近に濃縮されてしまいます。

北極の氷山も、氷の部分はしょっぱくないはずです。
ただ、海水を氷の結晶の間に取り込んでしまった部分があればしょっぱいかもしれませんね。

北極の氷山も(そう)しょっぱくはないはずです。
いかがでしょう?納得していただけましたか?

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