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2010年3月 3日 (水)

父の青空

2010.3.1付 朝日歌壇より

新潟に生まれ台北、水戸、博多、伯林に逝きし父の青空:(ドイツ)西田リーバウ望東子
 馬場あき子 評:新潟からベルリンまでの転々の父の足跡を顧みつつその人生を偲ぶ。結局ベルリンの墓に眠る父、そしてベルリンに骨を埋めるであろう作者。読者としては知り得ぬ二代の人生だが感慨は深い。

「感慨は深い」ということ自体は理解します。その巡り合わせの不思議さ、人生というものの不思議さ、「ふっ」という息と思い。
そういうことがわからないほど鈍感でもないのですが。
完全に添いきれないものが私には残る。

故郷への執着、母国への執着、そういうものが「人間の心」から消えることがあったら、世界の「たたかい」は、「たたかいに発するふしあわせ」は、きっとほとんど消滅していくのだろうにな、と。

2月27日付の朝日新聞に上智大学名誉教授のアリフォンス・デーケンさんのお話がありました。

 私のふるさとは、北ドイツのエムステックという小さな町です。・・・(中略)・・・
 そんな父や母、白血病のため4歳で亡くなった妹の墓は、エムステックにあります。でも、私は日本に骨を埋めるつもりです。来日して51年。この国を愛していますから。
 ふるさとへのロマンチックな里心はあまり感じません。地理上の場所というよりも、心の中の宝物なのです。
 エムステックは、今の私をつくったルーツ。つらいこともありました。しかし振り返ってみれば、温かい両親ときょうだいの楽しい思い出に満ちています。

「場所」への執着ではなく、心の中の思いへの愛。それが故郷ではないでしょうか。
この地球に生まれ、この地球に還る。地球こそわが墓標、でいいのではないですか?

私たち夫婦に発する命の出だしに立ち会えたのは幸せ。彼らがどこでどのように生きようと、それは彼らの人生。なんら執着する気はありません。
いずれ、この地球に生きて還るだけですから。

一青窈さんは、成長を続ける人です。また、大きく自分を変えようとしています。
「うんと幸せ」という最近の歌を聴いて、心が震えました。

・・・
同じ土に還るまでのすべて
それを幸せという
うんとしあわせな日々よ

すごい歌に出会うことができて、私はうんと幸せです。

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