無言の春
2010.3.1付 朝日歌壇より
子を生(な)して我を助けて働いて無言の春に頭撫でやる:(豊田市)永田政格
高野公彦 評:物言わぬ妻をいたわりながら、来し方を振り返る。妻への感謝と情愛に満ちた作。
老いの坂道のきわまるあたり、あるいは、いのちの営みのきわまるあたり。
ものもいえなくなった「妻」をいとおしむ。
手のひらに髪を感じ、髪の豊かだった頃の二人の日々をよみがえらせ
おそらくは両のてのひらに、妻のほほを包み込んで、豊かなりし頃を感じとる。
いと おしい。
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