心を病み
2010.3.22付 朝日歌壇より
二十四年費やして得た教職に心を病みて薬飲む日々:(大阪市)浅生有記
かなしいことです。鬱を得られましたか。
ちょっとだけ、老人のおせっかい。
鬱は心の肥し、と受け止めてください。
鬱の深みを覗いたこともない、浅い心には、波が立ちやすい。
深い心には波は立たない。
およそ深い泉の体験は、徐々に成熟する。
何がおのれの深い底に落ちてきたかがわかるまでには、
深い泉は長いあいだ待たねばならぬ。
石を投げ込むことはやさしい。
しかし石が底まで沈んだとき、だれがそれを取り出すことができようか。
ニーチェ「ツァラトゥストラ」(手塚富雄訳、中公文庫)
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