籾殻
2010.2.15付 朝日俳壇より
籾殻に並ぶ見舞ひの寒卵:(東京都)市川廉
懐かしいなぁ。
一つは、卵は栄養があって「精がつく」といって、結構特別な食品だった時代がありますね。
今では想像できないかもしれないけれど。
句としては、そこまでなんですが・・・
個人的な思い出が、ワッと湧きだしてしまった。
それが「籾殻」
子どもの頃、親の親戚からリンゴなど送ってくることがありました。
縄で縛った木箱に籾殻が詰まっていて、その中にリンゴが白い紙にくるまれて入っているのですね。
子ども二人で中身を取り出すんですが、籾殻の中に手を突っ込みますので、後から、かゆいかゆい。でも、籾殻の香りの中から、甘い香りのリンゴを取り出すのはとっても嬉しい仕事でした。
さて、エコなお話し。
リンゴを包んでいた白い紙は、どうなったか? → 「御不浄の落し紙」として利用。
わかります?要するにトイレットペーパーとして再利用なんです。汲み取り便所でした。
新聞紙や、新聞広告の紙も落し紙にしました。印刷のインクでお尻に色がついちゃったりしてね。ちゃんと揉んで使うんですよ。でないと痛いから。
籾殻や縄はどうしたか? → 火鉢の灰にする。
火鉢の灰も長く使っていると、細かくなるしボリュームがなくなって固くなってくる。
で、縄やもみ殻を、きれいに燃やしましてね、新しい灰にして火鉢に入れるんですね。
こういう仕事も私ら子の仕事。
木箱は? → 日曜大工の材料、あるいは、消し炭に利用。
焚き火の時に木箱も燃やすんですけれど、燃え切らないうちに、でも、中まで炭化したところで、水につけて、ジュッと消してしまうんです。これが、火鉢の炭や、炬燵の炭に点火する時の「消し炭」として具合がいいんですね。消し炭をつくるのも子の仕事。
いろいろ、おだてられながら、うまいこと仕事させられてましたねぇ。
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