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2010年2月15日 (月)

おまけのお話し5:Thunder Egg

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これなんでしょう?
まだ元気だった頃、「NHK地球大紀行展」で買ってきたものです。
通称「ライチョウの卵」(Thunder Egg)というのです。面白い名前をつけるものですね。

硬い岩の中の空洞に、石英などを溶かしこんだ熱水が入って、冷えて、結晶が析出し、水が抜けたものです。

熱水といっても、100℃の「熱湯」ではないんですよ。
水は100℃で沸騰する、と教わったものだから、水は100℃にしかならない、と思いこんでいる方がたくさんいらっしゃるのはマズイ事態です。
水が100℃で沸騰するというのには、実は条件があるのです。

水は1気圧のもとでは100℃で沸騰する。

これが正しい言い方です。
富士山の頂上付近でご飯を炊いても、100℃にならないまま沸騰してしまうので、おいしくご飯を炊くことができない、というようなことは知られていると思います。
圧力鍋を調理に使っていらっしゃる方も多いと思います。
ちゃんと取扱説明書を読めば、普通の圧力鍋なら「2気圧、120℃」くらいになるのではないでしょうか。
こういうことを、個別に知っていても、水の沸点は気圧に依存する、という一般化された概念にならないのは、(私も含まれる)理科教育の貧困なんでしょうね。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-f61d.html
ここに、湯たんぽの事故や圧力鍋の事故について書きました。是非お読みください。
生徒にも、こういう事故の話を少ししました。生活の知恵として知っておいてほしいことですからね。

さて、圧力が高いと100℃で沸騰せず、100℃をこえた液体の水ができます。
こういう水は普通の水と違って、とんでもないものを溶かしこむようになります。
前の方でチラッといったように、石英が溶け込んだりするのですね。

石英が溶け込んだ水が冷えてくると、溶けていられなくなった石英が結晶になって出てきます。(生徒は、ホウ酸水溶液を冷やすと溶けていられなくなったホウ酸が細かい結晶として出てくることを実験で見たばかりですから、イメージはつかみやすい。)

穴の内側は大抵メノウです。そのメノウ層からやがて穴の中へ向かって水晶が成長します。

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これもサンダーエッグ。最初の写真もこれも、内側に輝くものが見えるのですがおわかりでしょうか?

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接写するとこうなります。小さいけれど水晶が成長していますね。

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もう少し大きなのもあって、こんなふう。

これらを生徒に回覧しました。
かなり興奮気味に観察してくれました。中には、自宅や知り合いの家に、こういう標本の大きなものを飾っておられるのを知っている生徒もいました。高いんですよ、これの大きいのは。20万円とか30万円とか、教師が小遣いで買えるようなものではありません。

ものには溶ける限度がある。温度が下がって、溶けていられる限度を超えると、結晶になって出てくる、という出来事の、自然界で起きる「ものすごい実例」でした。

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